【以“身”伝心展関連イベント】
「フォトグラムワークショップ“からだの影をつかまえる”」
去る2018年10月27日(土)。
近江商人で有名な滋賀県近江八幡市にある「ボーダレス・アートミュージアムNO-MA」で開催されている企画展「以”身”伝心 からだから、はじめてみる」の関連イベントとして開催しました。
参加者との集合写真
この展覧会は、「身体を巡る様々なテーマ―身体に滲む自己のルーツ、身体で感得する非言語的な感情、身体を駆使した更なる表現の可能性―について考える」機会をつくる意図で開催されています。「実際に手で触れたり、耳で聞くことで、身をもって味わうことのできる体感型作品も展示」し、作品が身近に感じられる工夫(音声ガイドや点字による絵画の輪郭を指先で観る仕掛けなど)も随所に配置された展覧会です。
触ることができる作品が多数展示されている(作品の作者:米田 文さん)
草彅陵太さんの制作方法と同じ体験ができるコーナーもある
ボーダレスアートミュージアムNO-MAは、滋賀県近江八幡市の歴史ある重要伝統的建造物群保存地区にあり、昭和初期の町屋を和室や蔵などを活かして改築し、2004年6月に開館した、社会福祉法人グロー(GLOW)~生きることが光になる~※(旧 滋賀県社会福祉事業団)が運営するミュージアムです。
その展覧会の関連イベントとして、身体の等身大の影を撮影するフォトグラムのワークショップを開催しました。
ワークショップ前日の10/26には、かつての酒造の貯蔵庫を改装したライブも開催される空間「酒游舘」で15名分の綿布(180×90)に感光液を塗布するワークショップの仕込みを学芸員の方と連携して行いました。仕込みの間、学芸員の方や「酒游舘」の方から近江の歴史やアートシーンについてのお話を伺うことができました。
前日の仕込みの様子:感光布を乾燥させる
そして当日、心配されていた天気は曇りから太陽が顔を出す環境。
会場は「ボーダレス・アートミュージアムNO-MA」から徒歩数分の公園で行いました。
はじめに自己紹介と持参したモチーフを紹介。
本番の作品を制作する前に、ジアゾ感光紙でどのように影が写るのかを確認。 素材や置き方で得られる影のかたちが変わることを実感しました。
いよいよ撮影! 撮影時には風が強く吹き、軽いモチーフを使うには、重いものを上に置いたり、テープで貼り付けたりといった工夫が必要になりました。
自分の身体のポーズ、周りに配置するモチーフを確認し、感光布の上に寝転び約15分待ちます。
モチーフには、活動で使う手作りの品や、長年使っている色鉛筆、生たまごなどが用いられました!
自分の制作に使っている画材と撮影
なんと!生たまごをモチーフに撮影!
また親子での参加者は、撮影のイメージから当日のファッションを2人合わせて撮影に臨む情熱も感じられました。
制作を考え、スカートをお揃いにした親子の参加者!ポーズも入念に打ち合わせ。
感光する前は黄色の感光布が、太陽光に当たることでじわじわ青色に変化します。 目視で露光の様子を確認し、写真が化学反応であることを感じながら、じっと感光布の上で仕上がりを待ちます!
そして、約15分後。 ゆっくり立ち上がると、自分の影とご対面!
自分が感光布から剥がれた後、感光布の上には自分の影が等身大でくっきりと残っている不思議な感覚。 身体が自由になった開放感と相まって、作品がどのように仕上がるのか楽しみな瞬間でもあります。
現像は水洗いを十分に行います。反応していない薬品をじっくりと洗い流すと、鮮やかな青色の影の写真が生まれます。 髪の毛や置いたモチーフの細かなディテールまでしっかりと写っていることに驚き!
現像後は、作品の鑑賞会を行い、制作の時に感じたことや考えたことを参加者の皆と共有しました。
その後、この参加者作品は「ボーダレス・アートミュージアムNO-MA」のエントランスに展示され、活動の様子も紹介されました。
展覧会期中、作品を観ることができますのでどうぞご来場いただければ幸いです。
今回は、初めての滋賀県でのワークショップ開催になりました。 ワークショップに参加していただきました皆様、また開催にあたり多大なるご支援をいただきました「ボーダレス・アートミュージアムNO-MA」の学芸員の方々に深く御礼申し上げます。
以下ワークショップのご案内
■フォトグラムワークショップ“からだの影をつかまえる”
写真作家の浅見俊哉さんを講師にお迎えし、カメラを使わずに太陽光で「等身大の影」を写すワークショップを開催します。光と影が織りなす美しい世界を堪能してみませんか。
〇イベント詳細はこちらから →http://www.no-ma.jp/?p=17613
講 師:浅見俊哉(写真作家、ワークショップデザイナー、キュレーター) 日 時:10月27日(土)13:00~16:00(雨天の場合、翌28日に延期) 集 合:NO-MA 参加費:展覧会の観覧料 ※大切なもの、記憶の品、捨てられないものなどをお持ち寄りください。 ※既に展覧会をご覧の方はチケットの半券をご提示ください。
【イベントのお問い合わせ】 ボーダレス・アートミュージアムNO-MA(近江八幡市永原町上16) Tel/Fax 0748-36-5018 E-mail no-ma@lake.ocn.ne.jp
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