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  • 執筆者の写真Shunya.Asami

【Note 2017】中之条ビエンナーレ2017・作品制作ノート「眠る男」の衝撃

【中之条ビエンナーレ2017】


この度、中之条ビエンナーレでの作品制作にあたり、大きなインスピレーションを受けたのは1996年に群馬県が製作した映画「眠る男」。

そのこともあって、作品展示場所が「拓次の部屋」と呼ばれる普段は舞台セットの復元がある一室で作品を展示することとなった。











映画は、当時、県人口が200万人に到達したことを記念して製作されたもので、製作費は4億円らしい。

行政が主導となって「精神的モニュメント」となる作品を製作する試みは当時とても前衛的なことであったと想像出来る。

その試みから廃校となっていた旧町立第四中学校が、「眠る男」の撮影拠点として使用され、現在も映画祭が定期的に開催されている。

「眠る男」はとても映像が美しく、群馬の土地の空気感を感じられるよう。少々難解で眠たくなってしまう場面もあった。

しかし、映画の中で生きているとも死んでいるとも規定できない「眠る男」の存在を通し、黒とも白とも規定できない事象へどのように関わっていくのかを考えさせられる機会となった。

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小栗康平監督初のオリジナル脚本。製作は群馬県。行政が発意して製作費の全額を税でまかなうという日本では前例のない取り組みで、社会的にも大きな関心を集めた。その後、この「眠る男」が前例となって、多くの地方自治体による映画支援が実現している。映画は動かず語らない、眠る男を主人公に据えて、中山間部の風土と人のありようを静かに描いている。東京の岩波ホールでの上映は丸々半年間に及び、単館上映による興行収入の新記録を打ち立ててもいる。


(C)群馬県「眠る男」製作委員会


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